道尾秀介によるミステリー小説で、2005年、新潮社より発行されています。

本作は第6回本格ミステリ大賞候補、このミステリーがすごい!2009年度版作家別投票で第一位を獲得しました。

あらすじ

小学4年生であるミチオは学校を休んでしまったSにプリントと宿題を届けにいきます。

そこでミチオが目にしたのはロープで首をつって死んでいるSの姿でした。

ミチオはすぐ岩村先生に知らせにいきますが、岩村先生と刑事はSの姿はなかったといいます。

嘘をついていると疑われ、納得のいかないミチオ。

ある日、ミチオは自宅でSの声を聞きます。そこには蜘蛛に生まれ変わったSの姿がありました。

そしてSはある告白をします。実は自殺したのではなく、岩村先生に殺されたのだと。

Sは消えてしまった自分の死体を見つけてほしいとミチオとミチオの妹であるミカに頼みます。

ミチオとミカはその依頼を承諾し、岩村先生を調べていきます。

そこで浮かびあがってきた岩村先生の姿は変態的なものでした。

少年の裸を写したポラロイド写真が家にあり、Sにイタズラしているビデオまであったのです。

そしてミチオは岩村先生が六村かおるというペンネームで「性愛への審判」という本を出版していたことを突き止めます。

さらにミチオは連続犬猫殺傷事件の犯人も岩村先生なのではないかと疑いだします。

後日、Sの死体が発見されます。

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そんな中、ミチオはあるきっかけで連続犬猫殺傷事件の犯人が実は岩村ではなくSではないかと疑います。

が、Sはそれを否定し、犯人は近所の泰造というお爺さんではないかと言い出します。

ミチオは真相を確かめるために泰造に会いにいきます。

そこで泰造が語る真実とは・・・

そしてミチオが語る衝撃の告白とは・・・

見どころ

「向日葵の咲かない夏」は道尾秀介の出世作となっただけあっておもしろいです。

謎が謎を呼び、ページをめくる手が止まらない。はやく真相を知りたくて一気に読んでしまいます。

そして明かされる真相に衝撃を受け、また″ある事実“に衝撃を受けます。

まさにダブルパンチですね。

結構、暗めの小説ではありますが、そんなの気にならないくらい読みごたえは十分あります。

この小説の見どころは大きくわけて二つあります。

一つはかなり実験的というか、斬新な物語となっているところです。

それは「生まれ変わり」。まずこの物語はSが死ぬことでスタートしていきます。

そのSが生まれ変わって蜘蛛となってでてくるのです。

そしてミチオは蜘蛛となったSを飼い始め、奇妙な生活が始まります。

しかもこのSはいろいろとしゃべりまくり、事件の真相を解明しようとするミチオの相棒みたいになっていきます。

蜘蛛がしゃべり、相棒みたいになることで新感覚な読書体験になります。

二つめは「謎」と「衝撃」です。

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この作品は多くの謎がしかけられてあり、その謎がページをめくらせる原動力となっています。

まず提示されるのはSの死体は一体どこへいったのだ?というものです。

そこでミチオは岩村先生のことを調べていきます。浮かび上がってくるのは変態的な趣味。

Sは岩村先生に裸にされ、イタズラをされていた。この岩村とは一体なんなんだ?

そして岩村先生を調べていくなかで、なんだかこの作品の重要人物となりそうな泰造というお爺さんもでてきます。

この泰造というお爺さんがもっている秘密とは?

さらにSの死体遺棄事件と関係がありそうな連続犬猫殺傷事件の真相は?

などなど多くの謎があります。

最後に謎は解決されるわけですが、それよりも″ある事実″のほうに衝撃を受けます。

この事実は全く予想していなかったもので、かなりの衝撃を受けました。

その衝撃の事実を知るためにぜひ読んでみてください。

忘れられない一冊になるはずです。

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