ラットマンのあらすじ

30歳の姫川はアマチュアバンドを組んでいました。

アマチュアバンドのメンバーは高校時代の同級生で構成されており、長く見知った関係が続いています。

姫川はギターを担当しており、ボーカルは竹内、ベースは谷尾、あとは唯一の女性であるひかりという4人組でバンドとして活動していました。

ボーカルの竹内には精神科医を務める姉がおり、ベースの谷尾には警察官の父がいました。ひかりは姫川の高校からの彼女であり、バンドにおいても紅一点の存在であったためその点でも重要なポジションでした。

しかし、2年前からひかりはバンドを離脱しており、その代わりとなって加入したのがひかりの5歳下の妹である桂です。

ひかりと桂は姉妹ではあるものの、大きく異なる特徴を持っていました。

ひかりはどちらかというと影のあるタイプの美人であり、対して桂は無邪気で屈託のないタイプでした。姫川には姉がいましたが、姉は姫川が幼いころに亡くなってしまっていました。

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姫川は姉によく懐いていたのでこのことは彼の境遇に大きな影を落としていたのです。

加えて父が病気で亡くなっていたことも姫川を大きく苦しめていました。

両親のうち父とは幼いころに死別し、母とは上手くいっていなかったことから少し愛情に飢えていたようなところがあります。

そんな中でひかりは妊娠したことを姫川に伝えます。

しかし、姫川は避妊をしっかりと行っていたはずだからそれはおかしいと主張します。

姫川は浮気を疑っていました。これが決定打となり、姫川は桂と浮気をしてしまいます。姫川、ひかり、桂というこの3人の関係はどんどんと歪な関係になっていきました。

ひかりの浮気を疑い自ら浮気をしてしまった姫川、身ごもったまま浮気を疑われているひかり、姉の彼氏と寝てしまった桂、ひかりの妊娠の理由も分からないままバンドの活動は続いていきます。

そんなある日、スタジオでひかりと亡くなるという事件が起こりました。

ひかりを殺した人物とはいったい誰なのでしょうか。

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ラットマンの見どころ

この小説は読者に全く予想を当てさせないような内容になっています。

あらすじを読んだだけで結末が分かる方はほとんどいないのではないでしょうか。

状況的に見れば明らかに姫川が怪しくなっていますが、他にも怪しい人物が何人もいるため全く予想できない展開が続いていきます。

それだけではありません。

物語は姫川の過去にもさかのぼります。姫川の姉は何故亡くなってしまったのでしょうか。

姫川の父親や母親の人物像と姉が亡くなった理由、今回の事件との意外な共通点も明らかになっていきます。

とにかくミスリードの連発で何度も驚かされるのがこの小説の最も凄いところです。

「あっ!そういうことか」と思ったらそれがまたミスリードで「そうか、そういうことか」と感じたらまたそれがミスリードということが頻発することになります。

この手の小説を読む際には深読みしながら読み進めるという方が多いと思われますが、その更に裏をかく展開が巻き起こります。

登場人物がみんなそれぞれ性格的に問題を抱えているのも特徴となっています。

それぞれが倫理的に問題のある行動をしてしまってそれがどんどん重なり合うことで事態が複雑化していきます。

裏をかかれたい、先の読めてしまう小説が好きでないという方にはうってつけと言えます。

バンドメンバーの親が医師だったり、警察官だったりしますがこの辺りが何らかの関係を及ぼすのかにも注目です。

全員が犯人のようで、全員が犯人でないように見えてくるかもしれません。

ひかりは誰に殺されたのか、どうして殺されたのか、そもそも殺人事件なのか、予想できない衝撃の結末に読み直してしまうこと請け合いです。

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