鬼の跫音に収録されている作品

鬼の跫音 は6本の作品からなる短編集です。

ケモノ、鈴虫、よいぎつね、箱詰めの文字、冬の鬼、悪意の顔と名付けられた作品たちからはいずれも道尾秀介の高いテクニックが感じられます。

ケモノのあらすじ

少年は祖母からもらった刑務所作業製品である椅子を使用していました。

ある日、その椅子が折れた際に一連の言葉が刻まれていることに気づきます。

よく見るとその言葉は名前が入っていたので、その名前をインターネットを使って調べてみると何と両親を殺害した犯人であることが明らかになりました。

少年は刻まれた言葉の意味を知るために事件の起きた福島県のある村に向かいました。

ケモノの見どころ

あらすじから既に衝撃が走っている作品です。

犯人はどうして椅子に言葉を刻んだのか、また、それを孫にあげた祖母の真意にも注目です。

鈴虫のあらすじ

ある日自然公園の谷底から男性の死体が発見されました。

その死体の遺留品から犯人として浮上したのが当時の友人です。

彼は現在結婚しており、その相手は以前死体の男が交際していた女性でした。

彼は取り調べにて死体を遺棄したことを認めましたが、事件は思わぬ展開を迎えることとなります。

鈴虫の見どころ

この作品はあらすじの時点で容疑者が容疑を認めています。

しかし、ここから予想外の展開に持っていくのが道尾秀介さんの凄いところです。

短編らしくコンパクトにまとまった内容なので読みやすい作品です。

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よいぎつねのあらすじ

男には故郷に忌まわしい記憶がありました。

そのため、故郷に近づかないつもりでいましたが、仕事の関係で帰ってくることになりました。

男が戻ったのはちょうど夏祭りのころだったので随分とにぎわっていましたが、その賑わいの中で男は苦い記憶と向き合っていました。

そんな中で記憶の中と同じような面影をした女性と、あの頃の自分によく似た少年を見かけるのでした。

よいぎつねの見どころ

男の記憶というところに強いフォーカスが当たっています。

男にとって忌まわしい過去とは何なのか、そしてそれとよく似た様子の女性と少年が織りなす奇妙な物語が展開されています。

ただの女性と少年に見えても、男にとっては苦い記憶を呼び覚ますに十分な存在となってしまうのでした。

箱詰めの文字のあらすじ

ある推理小説家のもとに現れたのは1人の若い男です。

彼は小説家に対して突然謝りました。

前に彼の部屋に侵入して招き猫の貯金箱を盗んだというのです。

しかし、小説家にとってその貯金箱は見覚えが無く、その貯金箱を開いてみると紙切れが入っていました。

そこに書かれていたのは「残念だ」という3文字だけです。いったいこれは何を意味するのか―――

箱詰めの文字の見どころ

この短編集の中でも非常にミステリー色の強い作品です。

張り巡らされた伏線が後半一気に回収されていきます。

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冬の鬼にあらすじ

火事で火傷を負ったある女性はかつての大きく見た目が変わってしまいました。

その女性を愛する男は家の中から鏡などの姿が映るものを全てなくします。

女性が男を見つめると男の瞳に女性の姿が映ります。その姿を見た女性の願いとは―――

冬の鬼の見どころ

この作品は「鬼」という言葉を強く感じる特徴を持っています。

女性の願いに対して男が下す判断にも注目です。

悪意の顔のあらすじ

主人公である僕にはSという天敵がいました。

Sは僕に様々ないじわるをし、僕を苦しめてきました。

ある時、僕は特殊な能力を持った女性に出会います。

彼女は何でもキャンパスにに吸い取ることが出来るというのです。僕がお願いしたこととは―――

悪意の顔の見どころ

ある程度の推測が立つ展開でありながら、ラストにはそれを超える驚きが待っています。

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